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2009年9月 3日 11:53

橋本さとし&阿部よしつぐ対談

みなさまこんにちは(^^)阿部よしつぐ・・・いえ、ロチェスター家召使いのエイブラハムです。
今日は我らが主人、ロチェスター様と対談させていただきました。
身に余る光栄でございます♪みなさまどうぞ、お楽しみください☆


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橋本さとし&阿部よしつぐ対談

阿部 初日を控えた今の心境はどんな感じですか?
橋本 あのね、正直言うと、もっとねぇ、ジョンとみんなとの稽古を味わいたかった。
阿部 足りない?
橋本 いや、稽古場でみんなとジョンとで作る稽古の雰囲気がすごい好きやったから。
阿部 あ~(頷く)。
橋本 あれはね、この夏のひとつの思い出というカンジで・・・。
阿部 僕から見ると稽古場でのさとしさんは、ちょっとこう・・・ロチェスターに入り込んでいる感じがあったので、しゃべりかけづらいオーラがあったんですよ。
橋本 今回ロチェスターっていうのは孤独な男で・・・、カンパニー自体もすごい大人なカンパニーで。
阿部 そうですね。
橋本 あんまりみんなで飲みに行ったり、飯食いに行ったりとかっていうのがなかった。
阿部 なかったですね。
橋本 それぞれにこの「ジェーン・エア」っていう作品に対する情報量がすごいあったから・・・、ジョンがつけてくれる心理描写であるとか。
阿部 はい。
橋本 だからねぇ、自分の中で、ジョンが言ってくれた事を消化して次の日には、それをちゃんと表現したいなぁって思っていたから・・・。
阿部 真面目ですねぇ~~~(笑)。
橋本 ロチェスターっていうのは自分にとっても今までやった事のない役柄で・・・。ラブロマンスを演じるっていうのは。
阿部 こういうの無いんですか? 二の線。
橋本 ない、だいたい女の子に嫌われる役ばっかりやもん。女の子売るとか騙すとかねぇ、そういう役ばっかりやったから・・・ねぇ。
 <2人 大爆笑>
橋本 あの・・・、役者やってる人間ってどこかロマンチストやったりして・・・。活字の中から自分の想像力を膨らませていく仕事やから、僕もやっぱりこういった仕事をやっている以上、そういったロマンチストな部分とかもずっと大事にしているし・・・。でもそういうのってさぁ、芝居で見せる時とかっていうのは照れくさいとかあるやん。それを越えなあかんし、曲も歌もねぇ・・・、難しい歌が多くて。
阿部 曲いいですもんねぇ、メロディがきれいだし。
橋本 そのいいメロディっていうのも活かしたいし、でもメロディに縛られると今度は言葉が伝わらへんかったりとか・・・。そういうことが色々あって、自分なりのものっていうのを生み出すまでに、今回結構難産やったねロチェスターは。まだ幕が上がる前だから、生まれてきてるかどうかは分からへんけど、お客さんの前で演じへんかったら答えっていうのは出えへんけど・・・。
阿部 そうですねぇ。まだまだ変わってくるかも知れないですね。

橋本 だけどなんか、よしつぐと久しぶりにこうやって芝居やるけど・・・よしつぐさんは色々経験されたみたいで(笑)。
阿部 ハハハ・・・。
橋本 いや、なんかねぇ楽しそうにやってるように見えるよ。
阿部 あ! それはねぇ、今回のカンパニーがやっぱ楽しいですもん。
橋本 いい雰囲気やね。
阿部 ほんっと~に作品もいいし、音楽もいいし、松さんはじめキャストが本当に「ジェーン・エア」が好きで、一生懸命真摯に役に取り組んでいる姿があって・・・。僕はねぇ幸せなんですよ。ミュージカルの世界ってどうしても音楽があったり踊りがあったりしてちょっと散漫になるじゃないですか、気持ちが。
橋本 気持ちがね。
阿部 それをガツってまとめてくれる、リーダーシップのある演出家が・・・今回はジョン・ケアードが、それをいい具合にまとめてくれてるから、みんながひとつの方向に向かっているのがすごいわかるんですよ。で、僕は最初ほとんど見てるし、出て来てもだいたい召使いとして客観的に状況を見てる。だから冷静に居られるんですよね。
橋本 はいはいはい・・・。
阿部 僕、わりと芝居に入り込むタイプで、まわりがあんまり見えなくなっちゃってた部分があったんですけど、今回すごい冷静に見れているんです。だから、さとしさんがどんどん役に入っていくのも間近で見れるし、なんかねみんなが作品を愛しているっていうのを手に取るように感じるんですよ。
橋本 いいね。
阿部 多分ね、僕も幸せなんです。
橋本 だからねぇ、よしつぐとかがそう感じてやってるっていうのが充分俺にも伝わってきて、「ジェーン・エア」っていうある意味ドラマ性の強い、華やかでは決してないけれども、そのミュージカルのカラーっていうのがすごい稽古の状態に出ていて、みんなにもそれが出ていて。それで稽古場が心地良かったのよ。
阿部 そうですね、心地良かったですね。だから、劇場に入って楽屋がバラバラじゃないですか、もうねぇなんか・・・。
橋本 ちょっと寂しい。
阿部 そう、寂しいんですよね。
橋本 稽古場、今となっては懐かしいなぁ、あのひと夏の思い出が・・・。
阿部 はっはっは・・・。
橋本 もう気が付けば秋になってるのかよ、みたいな。
阿部 本当ですよねぇ、夏の始まりから・・・ちょうど8月。
橋本 夏休みやったね。
阿部 本番が終わるともう秋みたいな感じで。
橋本 だからなんかねぇ、楽屋で待ってる間モニター見てたりしてても、みんな何してんねんやろって気になって、周りの楽屋をブラブラしたりとかしてんねんけど。
阿部 遊びに来ていいすか?
橋本 もちろん、もちろん。僕の楽屋はいつでもウエルカムですから。
阿部 ありがとうございます。

阿部 いやぁ~、僕は稽古場での状況が本当に良かったんで、早く見せたいなって思っていたんですよ。稽古場にお客さん来たらいいのにって思っていたくらいなんですよ。
橋本 あはははは・・・。
阿部 だから本当に早く幕が開かないかなぁって思ってるんですよね。
橋本 ああ。でも、ジョンは劇場入って場当たり、すごい緻密にやるからねぇ。
阿部 ですねぇ。
橋本 だから、こっちはこっちで、テンションっていうかモチベーションのキープが、勝負やね。やっぱり待ってる時間も長くなるしさ。止められるのも細かく止められるから。
阿部 そうですね。
橋本 そこで気持ちが折れると、集中力も消えるし。で、それで芝居が崩れ出す危険性もあるし、ケガの元にもなるし。ただね、やっぱりジョンのすごいところは、その切迫感とかピリピリしたものが無いから、なんかこう、場当たりすごい緻密にやられても、「はいっ」って素直に聞ける。場当たりとはいえ芝居をガンガン指示されますから。ただ初日は迫っているんで、変えられたところも本当に腹に落として役者はやらにゃあかんから、本番までの短い間にね。だから、レベルのすごく高い事を俺らみんな要求されていると思うねんけども。
阿部 はい。
橋本 それにまぁ、必死でついていく。稽古中もそうやったからね、宿題がほんと多くて。
阿部 そっかぁ~。
橋本 稽古場でなんかこう、バ~ンと弾けるとそれがポロポロ漏れて行きそうな気がして、だからちょっと今回の稽古場はテンション低めでしたね、僕は。
阿部 ハハハ。僕はね、こんなクマが多い人だっけなぁっていう印象が強かった。
橋本 日に日にやつれて来たよ、本当に。普段使わないところ使ってる感じ(笑)筋肉も脳みそも。だから今回、自分にとってもチャレンジやし、やっぱりカンパニーの事も愛してるし、作品も愛してるし、大好きなジョンと一緒にまたこうやって新しい作品をみんなで生み出すっていうところに立ち会えるっていうのがやっぱ嬉しいし、もっともっとなんか味わいたいなぁって。
阿部 そうですね。
橋本 ・・・と、言ってる間に本番は来ますよっていう。

阿部 最後にロチェスター様から、サーバンツに向けて・・・。
橋本 サーバンツって何?
阿部 あの・・・、召使いです。
橋本 ・・・あっ、そうだ僕の大事な。
阿部 はい、そうです。
橋本 もうねぇ、ロチェスターは召使いに対して本当に無礼な男やと思うんよ、本当にね。
阿部 でも、召使いはロチェスター様をみんな愛してるんですよ。
橋本 あっ、愛してくれてんの? あの男のどこがいいの?
阿部 いやなんか、やっぱり好きだから居れるんですよね。
橋本 本当にあの屋敷によく居ると思うよ、みんな。
阿部 そんな召使いに対して、なんか本番に向けて一言ありましたら。
橋本 ロチェスターは自分の傷との葛藤ばっかりで、みんなになかなか細かい目配りがね、出来てないと思います。そんなダメダメな雇い主でも、みんながそうやってその不気味な暗い謎を秘めた屋敷の中で、それぞれの仕事を、ドジをしながらもやっているっていうか、みんなでロチェスター家を支えようとする気持ちだけはねぇ、すごい伝わってくる。だから、ロバートを通して、みんなにロチェスターの気持ちっていうのも伝えてると思うけども、感謝してます。
阿部 ハハハ。
橋本 よくこの家に居てるなって。
二人 ハハハ。
橋本 で、それぞれのキャラっていうものをさぁ、ジョンは細かくみんなにつけているし。
阿部 そうですね。
橋本 そのキャラがみんなの人間性と、一致したところで生まれているから。こっちも本当に、なんかあの、ロチェスター家って本当は自分にとっては居心地の悪い場所だけど、なんか居心地良くなってくるんですわぁ。
阿部 ハハハッ・・・。あ、そっか、本当は居心地が悪いんですよね。
橋本 ロチェスターにとってはね、あまり寄りつきたくない家なんだけど、橋本さとしはねすごく居心地がいい屋敷になってて。それはもう、みんなのおかげですよ。
阿部 ありがとうございます。

こんな感じで対談は終了いたしました。すごくいい雰囲気の中、初日を迎えられそうです。
みなさま日生劇場でお待ちしております。

エイブラハム(阿部 よしつぐ)

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